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スパイス・カレーの老舗「negombo33」。旨みのこだわりとは?

Introduction

毎年10件のお店しか選ばれない「Japanese Curry Award」。2018年に選出された、埼玉県所沢市に約10年前よりお店を構えるスパイス・カレーの老舗「negombo33」。弊社からは、「negombo33」監修でビネガーの酸味と黒胡椒の風味がきいた、よく煮込まれた大切りの豚バラ肉の入った「ポークビンダルー」、所沢産の希少な牛肉を贅沢に大切りで入れたコクのある「所沢牛カレー」と2品のレトルトパックを発売し、ご好評いただいています。今回看板メニューの「ラム・キーマカレー」をレトルトパックで発売するにあたり、オーナーシェフの山田さんにnegombo33の旨みのこだわりを聞きました。 

「negombo33」オーナーシェフの山田さん

 

──  まだ工場サンプル品しか食べていないんですが、ラムの濃厚な風味とゴロゴロの粗挽き肉がジューシーで、ごはんがどんどんすすむスパイシーなカレーになっていました。まさに「negombo」味と言いましょうか。山田さんが、ご自身のカレーの味をきめる際に特に意識するポイントはなんでしょうか。

 

山田 カレー好きの素人時代と、お店を始めてからと比べて、塩を意識するようになりましたね。塩で味をきめるというか、旨みを引き出すギリギリのしょっぱさ。

 具材を引き立てる塩加減。ラムにしろ魚にしろ、ある程度の塩加減がないとそれ自体の味が締まらない。具材を引き立てるために、自分なりに感じる十分なところまで塩を入れるんです。

 お店、食材の個性を引き立たせるための塩加減へのアプローチですね。

 

──  塩のきかせ方で素材の味が前に出て、全体がしまって印象深くなるんですね。

 優しい味ではない、漢(おとこ)らしい「negombo」味だと思いました。

 

山田 「優しい味」と言う人がいるじゃないですか。こっち側にとっては「あらららら…」みたいな、ネガティブな発言なんですよね。味について特に言うことがないから「優しい味」と言っているんだな、ちょっと弱気でつくっちゃったなあ、て(笑)

 (自分の)お店だから、何と言われようと(自分のおいしいと思う)塩加減、スパイス加減が必要なんですよね。せっかくお店にきていただいたので、おいしい!! 来てよかった!! と思って欲しいので、「優しい味」となってしまうのはイヤだな、と(笑)

 「優しい味」って、忘れちゃう味ですよね。いろいろなお店でカレーを食べても、何食べたか忘れちゃったな、なんてこともあります。味の強い印象が残っているお店でないと、もう一度行こうと思わないですね。

 お店のカレーは毎日食べるものじゃないですよね。たとえばお菓子。健康志向で甘さ控えめとかありますけど、少ない量でもしっかり甘いものをたべておいしいな、と思えればいいんじゃないかと。

 

──  優しい味の対極に位置する味、激しい味ですかね?印象に残る激しい味(笑)

 

山田 まず自分が感動するのは、極端な味ですね。

 極端をやりすぎて失敗することもあります。しょっぱすぎだとか、酸っぱすぎとか、辛すぎて(笑)どこまでやると失敗なのか。失敗と成功のボーダーラインを攻めています。ギリギリのところ、もうイっちゃっているところを攻めた時に個性が出ますね。

 そうして出来上がったラムキーマやポークビンダルー、所沢牛しかり、最初に自分が感動しているんです。うめぇなあ~って(笑)自分の感動をみなさんに伝えたいです。

 

──  失敗から自分にしかたどり着けない成功を探すんですか?

 

山田 レシピ本通りに作ると、その通りの味しか出ませんよね。ただ、そこで間違えちゃったときに閃きますね。予定とは全く別のものが出来上がるんですが、それが意外とよかったり。

 ポークビンダルーが間違えてできたメニューです。唐辛子入れすぎちゃって。ほかにはターメリックライスですね。白いごはんに後から無理やりターメリックを入れて混ぜたら、まだらになっていい感じになったり。インド料理を正式に学んだ方にとっては絶対ダメなやり方なんですがね(笑)

 

──  まるで実験ですね。家庭でそんなことやったら家族に怒られる(笑)

 

山田 お店をやっていることによって毎日実験ができるんです。毎日セッションをしているミュージシャンのように、基本のコード進行はあるものの、自分なりに日々思いつきでちょっと踏み外したことをやっていくと、自分なりの味が生まれてくるんです。

 計算して実験することも、ミスっちゃって実験になっちゃうこともあるんですが(笑)でもミスったときのほうが発見がありますね。

 ラムキーマで言えば、ちょっとこがしすぎちゃったなぁて時に、お客さんから「いい感じにビターで良かった」て言われて。もうちょっとこがしてもいいんだ、という発見でしたね。

 

──  山田さんの考えるnegombo33のカレーとは、どんなカレーでしょうか。

 

山田 万人受けのカレーは狙っていませんね。まずは自分が旨いと思うか。

 お客さんが10人食べて、半分以上がおいしいと思ってくれればいいかな。賛否両論があっていいと思います。一生自分の好きなカレーを極めていきたいですね。

(取材・文・写真:36 c.o.s)

■リリース情報

 

negombo33監修「ラム・キーマカレー」は10月5日より初回お得意先様を限定しての発売となります。ジューシーなラム100%の粗挽き肉の食感と、添付のホァジャオをふりかけてスパイシーなハーモニーをお楽しみください。

 

1人前:130.8g


撮影協力

 

negombo33

埼玉県所沢市星の宮1-9-1

04-2928-8623